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聖ベルナルディーノ礼拝堂

ミラノ佐武辰之佑あえて礼拝堂の写真は公開していませんが、熱心な信者さんたちも訪れるため、拝観のマナーにはくれぐれも気をつけてください。

ミラノ在住・佐武 辰之佑

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Santuario Arcivescovile di San Bernardino alle Ossa教会の外観。大きな広場に面していてこの右側にも大きな教会があります。

サン・ベルナルディーノ礼拝堂

Santuario Arcivescovile di San Bernardino alle Ossa

頭蓋骨に覆われている「聖ベルナルディーノ礼拝堂」

ミラノ中心地近くにある教会。一見なんてこともなさそうな普通の教会ですが、この教会には地元の人さえあまり知らない特別な礼拝堂があります。宗教観の違う日本人にとってはとても信じられない場所ですが、あるいは人生の価値観をひっくり返してくれる教会かもしれません。もしかしたら違う意味でミラノのドゥオーモよりも印象深い教会と言えるかもしれません。

教会の創立

この教会の創立は8世紀にまでさかのぼります。隣にある教会もそうですが、病院にてなくなった人びとの霊を安置する目的としてこの教会は設立されました。度重なる老築のため1679年に修正を施された後、現在に至っています。ドゥオーモから歩いて10分ぐらいの距離にありますが、地元の人々でさえこの教会にとても特殊な礼拝堂があることはあまり知られていないようです。この礼拝堂にショックを受けたあるポルトガル人は同じような礼拝堂をリスボンに作ったと言われています。

特別な礼拝堂

この教会に入るとまず正面に大きな聖堂があります。右側の祭壇にはコロンブスの親類にあたる聖者が安置されているとのこと。しかしこの教会が特別なのは入口右側にある礼拝堂です。礼拝堂へ通じる扉を潜った瞬間にまるで気温が何度か下がるような、空気が入れ替わるような寒気を感じます。その通路を進んでゆくと、その奥に特別な礼拝堂が待っています。あるオペラ歌手が曰くあそこにはあまりにも霊気があるため、あまり近寄りたくないとのこと。

静かなる祈り

この礼拝堂の壁一面は2000個以上の人間の頭がい骨を使ってデザインされています。大きな十字架が形づくられ、中心にはマリア像が死に囲まれるようにして祈りを捧げています。天井にはまるで生と死を暗示するかのように美しい天上の絵が描かれ、訪れる人に人生の両極を訴えかけるかのようです。使われている頭がい骨は戦時中に野戦病院で亡くなった人たちのものらしいです。ということはイタリア人以外の人もいるに違いないでしょう。子供のものと思われる小さな頭がい骨もあり、その空洞の奥から我々に生きることの意味を問いかけるようでもあります。

サン・ベルナルディーノ礼拝堂 (Santuario Arcivescovile di San Bernardino alle Ossa di Milano)
住所 Verziere, 2 - 20123 Milano - Italy
行き方 ミラノのドゥオーモから歩いて10分ほど。Piazza Santo Stefanoの近く
休館日 日曜日
開館時間 月曜日~金曜日 7:30-12:30 / 13:00-18:00
土曜日 7:30-12:30

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